前もって計画することの大切さを身にしみた1日。その1
目が覚めて時計を見ると
9時18分であった。
この日、わたしは実家へ帰らなければいけないため11時6分発の電車に乗り余裕を持って空港に着くようにしておきたいことを思い出した。
まだ間に合うな、と確認し顔を洗いに行った。
…ん?
そう言えば昨日の夜、大学図書館に行って資料をコピーし、そのあとクリーニングに出していた靴を受け取りそして、電車に乗ろうというふうに考えていたことを思い出した。
間に合うだろうか…
ふと私の中で不安がよぎったがここでグズグズしていてもキリがないので、顔をサッと洗いお手入れをしたあとお気に入りの洋服へと着替えた。
今、私の中でお気に入りの洋服といえば、某バンドのアルパカが印字されているあのダボダボのグレーのTシャツである。
ズボンにインして、化粧に取り掛かった。
やはり、お気に入りの服を着ると気分もちょっと上がる。
お気に入りの曲を口ずさみながらゴミ出しや、化粧品を持ち帰るので朝使ったものをスーツケースへ順々に入れていく。
出かける準備ができ、時計を見ると
10時20分。
うちから大学は、徒歩で約10〜12分程度。
今日は荷物もあるため多少時間はかかってしまうだろうと思い見積もって、15分くらいかかるだろうか…。
図書館でダッシュで資料をコピーして、ダッシュでクリーニング屋さんに行けば11時6分発にギリギリ……間に合わない…計算である。
しかし昨日の私は優秀であり、余裕を持った時間を設定していた。
つまり1、2本電車を逃したもしても、飛行機の時間には余裕で間に合うという事だ。
とりあえず行くか。とスーツケース、パソコン、リュックを持ち玄関を出ようとした。
ーーーが、ここで大事なことを思い出した。
ヒールに、室内履きも入れなきゃだったの忘れてたーーー。
ここは計算外であり思わず焦った。
とりあえずスーツケースを空けて靴を入れようとすると先ほど詰めていた化粧品、昨日詰めていたスーツにリクルートカバン、パジャマ、1日分の洋服で既に中はパンパンであった。
どうしよう、入らないじゃん…でもこれ以上手荷物増やしたくないし…という思いから必死にヒールと室内履きを必死に隙間を開けぎゅうぎゅうと詰め込んだ。
わたしが4年間愛用しているスーツケースは、
「も、もう入らない…無理だよぉ〜!こんなにパンパンだよぉ〜!」
と言わんばかりになかなかファスナーを閉めさせてくれない…。
彼女の上に体重をかけ、荷物を圧迫させわたしはなんとか全ての荷物をスーツケースに詰め込むことに成功した。
時計の針は10時半を指しており、
焦っていたわたしは少し汗ばんでいた。
よしやっと行ける。
イアホンをセットし、某バンド曲を流しわたしは、アパートをあとにした。
照りつける太陽、不思議と早歩きにしてくれる某バンド曲、そして大荷物。
この三点セットにより私の体温はジワジワと上がってゆく。
先ほど計算していたとおり15分程度で大学図書館にたどり着き、急いで入館を済ませた。
コピーする資料を手にしたところで、同期の友人がいることに気づき、嬉しさから思わず声をかけた。
「久々!今日暑いね。」
と、わたしは友人に告げた。
歩いている時は気づかなかったが、じっと動きを止めると体温を上げていた私の体からはこれでもかと言うほどの汗が全ての毛穴から滲み出てくる。
額や首に滴る汗は尋常ではない。
友人は、
「お〜!元気だった?でも今日は比較的涼しいよ…あっ、暑いよね分かる!」
汗だくの私を見た友人は咄嗟に私に話を合わせてくれた。
とても恥ずかしい気分になったが、それも私の準備不足のせいであり、なんでこんな汗出るの!!と毛穴たちに言ったところで大変無意味なことであるので、話を合わせてくれた友人に心の中で感謝して、その場を後にした。
資料を無事コピーできたわたしは、司書の方にお礼を言って、クリーニング屋さんへと急いだ。
時間は、11時なるくらいだった。
長くなるので②に続きます。